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2013.04.26
Searching for Sugar Man 尋找甜秘客
筋☆3.5 エンタメ度☆2.5 音楽☆4 画面☆3.5 感動度☆4 思考度☆3.5
ドキュメンタリー映画。デトロイト出身のラテン系アメリカ人シンガーソングライター・Sixto Rodriguezの話。
彼は、アメリカの地元じゃ無名な歌い手だが、何かの弾みで南アフリカで大ヒットする。
彼の社会派めいた歌詞は多くの現地民に共感を持たせ、種族隔離政策が敷かれたあの時代の申し子のような存在になっていた。
その南アフリカでの人気は当時絶頂期のボブ・ディランを軽く超えるという。
Sixto Rodriguezにまつわる方々のインタビューに構成された映画だが、
取材の内容を時間軸によって心躍る話が次々出てきて、その歌手自身の作品(と言ってもアルバム二枚しかない)も巧みに映画の中に編集される。
ソウルフルな唄声を聞き入りながら、歌詞に描かれた心象風景とともにアメリカと南アフリカという二つの空間と、1970・1998・2013という3つの時間への旅を繰り出す、
そんな心地の良い作品だと思う。
見終わるととても心温まる感触が残る。
Sixto Rodriguezの境遇に同情せざるを得ないと同時に、彼の温厚な人柄に深く惹かれた。
まさにアメリカ小説家マーク・トウェインの名言「事実は小説より奇なり」そのもの。
文化の伝播と受容に関わる話もかなり深みを持っていて、なおかつエンタテインメント性を兼備する。
ドキュメンタリー映画の中で稀な傑作だと思う。好きです。
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