2013.05.05
Stand by me
筋☆3.5 エンタメ度☆3 音楽☆4 画面☆4 感動度☆4 思考度☆3.5
一般教養として観るべき映画だと推奨されたので観てみた。
タイトルの「Stand by me」のメロディは、誰もが聞いたことある西洋の名曲である。軽やかでゆるやかな曲は、この映画の世界観と合致している。
歌詞もとても意味深長で、いままで聞き流してたことを少しもったいないとさえ思った。
映画の筋は以下のようである。
日々徒然なままに生きる中、何か楽しいことないかと探しながら時間をつぶす、ごくありふれた、のどかな田舎で暮らす12歳少年の四人組の物語。
ある日、地方の警察総出で探している行方不明の子供が、実は列車事故に遭って死んだという秘密情報を手に入れた四人組の一人が、
死体の居場所を見出そうと他の三人を説得し、こうして四人は夏の小さな旅に出る。
四人はそれぞれ育った環境が違い、家庭の事情もあって、親友同士だが途中で揉め事もしばしば。
でも結局四人は一丸となって線路を辿ってその死体を見つける。
もともと四人は警察より早く死体を探し出して有名になることを目指していたが、
事件・物語の大筋自体よりも、四人の少年エピソードが精彩を帯びていて、心地が良い。
例えば線路橋で列車に追いかけられるシーンや、廃車置場で犬に噛まれそうなところ、夜中焚き火を囲んでお伽話を交わすシーン、沼で体中ヒルだらけになる場面などなど。
「ひと夏の経験」って感じだわ。
12歳の少年の話という設定も絶妙。
子供から大人になる途中で、異性に目覚めたばっかりで下ネタもたっぷり覚えたが、さすがに実行に移すことなんぞ考えてない可愛い年頃。
僕もそうだった。この映画で何回も自分の12歳を振り向いてしまう。
そして優秀な兄に死なれた主人公の時折見せた寂しい顔も、この映画の影として深みを出す。
結局大人になってみんな離れ離れになり連絡も途絶えて、
それぞれ出世したり、犯罪者となって行方不明になったり、普通の家庭を作って幸せに過ごしたり、まったく違う人生を歩んで歳を重ねるが、
その一瞬で輝いた無垢な友情がとても美しく、感慨深い思い出になる。
人と人の付き合いって時期時期だもんな。
友達とは、用事がなくても会えて、一緒にヒマな時間を楽しく過ごす(潰す?笑)人のことなんだろう。
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