2012.07.08
コクリコ坂から
筋☆2.5 エンタメ度☆3.5 音楽☆3 画面☆4 感動度☆2.5 思考度☆2
1963年、横浜。翌年の東京オリンピックを控え、急激な成長期を迎える日本。古いものが取り壊され、新しいものが入れ替わる時期。
そんな中、ごく平凡な少年少女がいて、つい最近の戦争で恋の運命が翻弄される。
学園モノで甘酸っぱい青春のラブストーリーなのだが、
宮崎吾郎のストーリーの語り方ってやっぱり下手な気がする。
主役たちの仕草によって語るのではなく、
コクリコ荘の住人や少年の父などの脇役の語りで案内人みたいに筋を補足説明するように敷衍していくことに、
物語力の射程の短さを感じるんだ。
しかも、ジブリアニメの絵のせいか、みんな似たような顔しておる。
登場人物が多くなると、鑑賞中に誰が誰かが途中でわからなくなってしまうことが多い。
あと、主役の人物像の造形についての描写が致命的不足していることで、
ヒロインと主人公はなぜ学校の生徒たちにそんなに注目を集めなければいけないのか、
どうして恋仲になったのかについては短絡的で、少し理解不能。
製作者側が「どうせこうなるんだから、黙って見てりゃいいんだ」って言ってるように見えてしまう。
主役の二人の恋の行方についても、何だか物足りない気がする。
まぁ、「アリエッティの借り暮らし」よりはマシだけどね。
あともう一つ。全編を通して明るい青春映画のはずなのに、
手嶌葵による主題歌のチョイスはやたらと暗くて、高校教師の「ぼくたちの失敗」を思わせる。
映画封切時の宣伝も、この物憂げなトーンで行ったよな。
日本人ってやっぱりこういうもののあわれが好きなんじゃないかな。
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