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2010.10.22

誰も知らない

i_p  

筋☆3.5 エンタメ度☆2.5 音楽☆2.5 画面☆3 感動度☆4 思考度☆4

新聞紙の社会版に出てくる実話に基づいた物語。

是枝裕和監督がストーリーテリングの腕を見せてくれた力作。


子役たちの迫真の演技でドキュメンタリーのような映画に仕上げられていて、

なおかつドラマチックトーンを失わない。とてもバランスよく撮れた映画だと思う。

長男役の柳楽優弥の演技力がすばらしく、とても14歳とは思えん。目元と口元がとことなく大人の影を落としている。

ちなみに、柳楽優弥は本作でカンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞、史上最年少記録を樹立した。

脇役の子役だちも、分相応な演技を披露してくれた。


作品は、保護者不在の厳しさと子供同士の世界の残酷さを如実に語っている。

子供なのに、大人の責任を全身に負わされる長男が、兄妹四人で過酷な共同生活を展開。

そして必然的に悲劇を招く。

母の不在で「しらん」が子どもたちの口癖になり、キーワードでもある。

撮られているのは、我々の身の回りにありがちな日常のごく自然な断片だが、

ところどころに伏線が隠れている。

スーツケースとか、音の出るシューズとか。

チュッって響くだけで涙を誘った…。


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