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2011.03.31
ヒアアフター
16

筋☆3.5 エンタメ度☆3 音楽☆4 画面☆3.5 感動度☆2.5 思考度☆2.5
 


南新川の寮の最終日で見た記念すべき映画。3月11日の東日本大震災で公開中止になった話題作でもある。
イーストウッドおじいさんは日本での公開中止に食らったにもかかわらず、DVDの売上を義援金に寄付するという。


観る前は津波にまつわる映画だと思い込んでいたけど、津波被災のシーンは、出だしの僅かな一部だけ。
おそらく本物の悲惨な災難を連日見てきたから、作中の表現がいくら迫真に撮ろうとしても感じ無くなってしまう…。

でも、イーストウッドおじいさんの監督作品にしては、出来がよいとは言えない。
津波の被災地にいたニュースキャスターのフランス女性、
死者のメッセージが読み取れるという神通力を持つエクソシストの主人公、
ヤク中のシングルマザーに母を持ち、兄を亡くした子供。
淡々と各々の生活が描かれており、しまいにはお互いにつながりを持っていく。

でも、オチが弱い。

この脚本と表現だと、監督のメッセージが伝わってこない気がする。
とくに最後のキスシーンが全体の雰囲気を台無しにした。全く蛇足です。

でも音楽が秀逸。映画を観る前にOSTを手に入れたから先行して想像したイメージを膨らませてしまうから、「こういうシーンに使われるんだ」って感覚が走った。
イーストウッドおじいさんの作品だから、もっと泣けるように作れる気がする。

ちなみに主人公が通うイタリア料理教室で知った女の子と目隠しで味見をするシーンが最高にそそる。
目隠しってこんなにエロいんだ…
思えば食事って、味覚だけでなく、視覚と嗅覚、触覚で織りなす行為なんだなぁとつくづく思ってしまう。
でもあの女性との関係はその後全然言及されなくなった。

それに津波で亡くなった現地の人とのつながりやヤク中の母についても、もっと描いてもいいなのでは?
様々な布線が宙吊りになってしまったのがちょっと残念。

 

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    keigokao 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()